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高次方程式・複素数とは — 3次方程式の解の中に隠れている、もう一つの数
高次方程式・複素数とは、 3次以上の方程式を因数定理で解く技術と、実数の外側に広がる「複素数」という数の仲間を扱う、数学IIの単元のことです。
正方形の厚紙の四隅を切り取って折ると、蓋のない箱ができます。切り取る大きさを変えるたび、箱の体積は増えたり減ったりする。その変化のかたちが、まさに3次関数です。グラフが x 軸を何回またぐか、そのまたぐ場所を見つける道具(因数定理)、そして「見つからないはずの解」がじつは複素数として存在すること。中学の絵解きから、電気回路で複素数が実際に使われる大学レベルの話まで、4つの学年バッジのうち気になる段から目を通せる作りです。
厚紙の四隅を切り取ると、何次の関数が生まれる?
正方形の厚紙を用意して、四隅を同じ大きさの正方形に切り取り、残った部分を折り曲げる。工作の時間によくある、蓋のない箱の作り方です。切り取る一辺の長さを x とすると、箱の底面の一辺は「もとの一辺 − 2x」、高さは x。体積は「底面積 × 高さ」——かけ算が3回重なった、x についての3次式です。
x を大きく切りすぎると底が無くなり、小さすぎると浅い箱になる。ちょうどいい x を見つけたいなら、3次方程式を解く必要がある——これがこのページの出発点です。
グラフはどこで x 軸と交わる?
係数のつまみを動かすと、グラフの曲がり方が変わり、x 軸と交わる点(実数解)の数も変わります。あるときは1点だけ、あるときは3点。放物線と違って、山や谷を1つ持てるぶん、行ったり来たりする余地があるのです。
放物線とはどこが違う?
2次関数(放物線)は、x 軸と0回、1回、2回のいずれかしか交わりません。ところが3次関数は、必ず1回以上は交わります。0回になることは、係数をどれだけ振ってもありません。この違いの理由は、次の「高校」レベルで数式込みで確かめます。
つまずきポイント — 「解なし」の奥にもう一段ある
「判別式が負なら解はない」「候補は総当たりするしかない」——このあたりの思い込みが、複素数の入口でよくつまずく原因になります。ひとつずつ確かめておきます。
iは、解がないのをごまかすための記号でしょ?
因数定理の候補は、片っ端から試すしかない
判別式が負なら、その方程式には解がない
3次関数のグラフも、2次関数と同じく0〜2回しか交わらない
現実の応用例 — 工作の箱からイヤホンの表記まで
さっきの厚紙の箱と、この先に出てくるイヤホンのスペック表。見た目はまるで違う2つですが、中で動いている計算は同じです。
厚紙で作る蓋なし箱の体積
イヤホンのスペック表に潜む複素数
よくある質問
Q複素数は何に使われているのですか?
電気工学の交流回路(インピーダンス Z=R+jX)、信号処理、量子力学の波動関数など、実務のさまざまな計算で使われています。高校数学で先に出会うのはこの続編の「複素数平面」で、複素数を回転や拡大を表す道具として使う場面です。
Q因数定理の代入候補は、どうやって見つけるのですか?
整数係数の方程式なら、有理数の解の候補は「定数項の約数 ÷ 最高次係数の約数」の中に限られます(有理根定理)。まずは定数項の約数だけを試すと、多くの場合すぐに見つかります。
Q判別式が負でも解があると言えるのはなぜですか?
「実数の範囲に解がない」ことと「解が存在しない」ことは別だからです。虚数単位 i を認めれば、判別式が負の2次方程式にも共役な複素数解が必ず2つ見つかります。実数解が見つからないのは、探す場所を実数の範囲に限っていたからです。
Qi を2乗すると −1 になるのは、なぜそう決まっているのですか?
証明できることではなく、定義だからです。「2乗して −1 になる数を i とする」と決めることで、x²+1=0 のような、実数の中に解を持たない方程式にも解を与えられるようになります。負の数を認めたことで引き算がいつでもできるようになったのと同じ、数の仲間を広げる決めごとです。
Q複素数平面とは何ですか?
複素数 a+bi を、座標平面上の点 (a, b) として描く見方です。この続編のページでは、複素数どうしのかけ算が「回転と拡大」という1つの動きに対応することを、点をドラッグしながら確かめられます。
やってみよう
ここからは係数を自分の手で動かす番です。グラフの交点、代入チェッカーの剰余、複素数の計算結果——3つの画面がどうつながっているか、つまみを触るとそのまま追えます。
シミュレーション →
係数 a・b・c・d のつまみを動かし、グラフ・因数定理・複素数の計算を1つの画面で行き来できます。
2次関数のおさらい →
判別式の考え方は、まず2次関数のページで練習しておくと、この続編がぐっと読みやすくなります。
複素数平面 →
複素数を座標平面上の点として描き、かけ算が回転と拡大に変わる様子を見る続編です。
参考文献・出典
- 文部科学省 学習指導要領(現行版)— 数学II「複素数と方程式」の範囲・扱い
最終更新日:2026-07-20 — STEMアトリエ
